何年とは言わないまでも、ずいぶん長いこと同じ場所にいる気がする。
大きく崩れているわけではありません。仕事も暮らしも、いちおう回っている。 ただ、動いている実感がない。去年と今年で、何がどう変わったのか説明できない。
いつ終わるのかだけでも知りたくて、前兆と検索されたのだと思います。
終わりが見えない時間は、それだけで重い
止まっていること自体より、いつまで止まっているのか分からないことのほうが、人をすり減らせます。
あと三か月だと分かっていれば、たいていのことは待てます。 期限のない待ち時間は、それとはまったく別の種類の疲れ方をします。
そして、この時期にいる方は、たいてい二重に消耗しています。 ひとつは、進んでいないこと。もうひとつは、進んでいない自分をどう扱えばいいのか分からないことです。
焦って動けば空回りする。動かなければ取り残される気がする。 どちらを選んでも、夜になると同じところに戻ってくる。
その往復を、もう何度もされてきたのだと思います。 まず、それは意志の弱さではありません。答えの出ない問いを長く持たされているというだけのことです。
鑑定師としての見立て
先に正直なところを申し上げておきます。 わたしが学んできた帝王学陰陽五行の見方に、これが出たら停滞が終わる、という前兆の一覧はありません。そういう合図の読み方を教わってはいないので、ここでお話しできるのは、季節の考え方のほうになります。
その見方では、人の巡りに、外に向かって開いていく季節と、内側にこもって整える季節があると考えます。どちらかが良くて、どちらかが悪いというものではありません。両方あって、はじめて一巡りになります。
止まっているように感じる時期は、多くの場合、後者の季節にあたります。 この季節には、外へ働きかけたことが形になりにくい。手応えが返ってこないので、進んでいないように見えます。けれど、進んでいないことと、何も起きていないことは、同じではありません。
そのうえで、季節の変わり目について教わったことを、ひとつだけ。 切り替わりのところでは、葛藤のようなものが出やすいと言われます。前に出ていた面が引っ込んで、別の面が前に出てくる。その入れ替わりの最中は、自分でも自分の扱い方が分からなくなります。
ですから、変わり目を知らせるものがあるとしたら、それは外の出来事ではなく、自分の側の感じ方のほうに出るのではないかと、わたしは考えています。
わたしは、これを、窮屈になった靴のようなものだと思っています。 子どもの足が伸びたことに、親はたいてい後から気づきます。身長を測って気づくのではなく、いつもの靴が急にきつくなったところで気づく。 足が伸びるのは、靴が小さくなるより先です。でも、本人が最初に感じるのは、きつさのほうなのです。
長く同じ場所にいた方が、ある時期からこういうことを言い始めるのを、わたしは何度も見てきました。 去年まで平気だったやり方が、急に面倒になった。人の順調な話を聞いても、以前ほどこたえなくなった。もう少しちゃんとしたい、と思う対象が変わった。
どれも、良い知らせには見えません。むしろ、居心地が悪くなっただけのように感じます。 けれど、いまの場所が窮屈に感じられるというのは、あなたのほうが少し伸びたという言い方もできます。
ただし、ここで急がないでいただきたいのです。 きつさに気づいた直後は、心が揺れやすくなっていることがあります。全部やめたい、遠くへ行きたい、いますぐ何か大きく変えたい。そういう気持ちが強く出るときは、季節の変わり目というより、揺れの真ん中にいることのほうが多い。 靴がきついと気づいた日に、裸足で走り出さなくていいのと同じです。次の一足は、店が開いている時間に選べます。
もうひとつ添えておくと、この季節に向いている過ごし方は、昔から言われています。 学ぶこと。誰かのために、見返りのない形で手を動かすこと。これまで支えてくれた人を思うこと。そして、体を整えること。 どれも、外から見て何かが起きたようには見えません。それでも、次の季節に前へ出るのは、この時期に手入れをしていた面のほうです。
同じ生まれの人でも、環境や生き方によって歩む道は変わります。当たり外れではなく、いまはそういう季節にいるのだな、と眺めるところから始めてみてください。
今日からできる、小さな一歩
前兆を探しにいくのではなく、自分の側の変化に気づきやすくしておくための小さなことを置いておきます。
- 去年の同じ月に何をしていたか、思い出して一行書く。比べる相手は、他人ではなく去年の自分のほうが公平です
- 最近きつく感じるようになったことを、ひとつだけ挙げる。直す必要はありません。気づいたところで止めておきます
- まだ手放していない用事を、ひとつだけ減らす。次に入れるものより、空ける場所のほうが先に要ります
- 五分でできる学びごとを、今週のうちに一度だけやる。この季節に入れたものは、あとから効いてきます
- 何も変わらない日を、失敗として数えない。変わり目は、毎日確認しにいくと余計に見えなくなります
ひとつだけで十分です。全部やらなくても、季節はきちんと動いています。
おわりに
抜ける日を先に知ることはできませんが、いまが終わらない季節ではないことは、たぶん確かです。 四季のどれかがずっと続いたことは、これまで一度もありません。
そして、窮屈さに気づけたのなら、少なくとも足のほうは動いています。 今日のところは、それを確かめられたところまでで十分です。
疲れが深いところまで来ている方には、人生に疲れたとき、たましいは何をしているのかも置いておきます。
もし気持ちの落ち込みが長く続いていたり、眠れない日が重なっているようでしたら、専門の相談窓口や医療機関も頼ってくださいね。季節の話で片付けなくていいことも、たくさんあります。